暑かった2019年の夏。水彩で涼し気な浴衣の柄が描きたい・・・と思いつつ作った童話と水彩人物画です。
童話×水彩画「なつのひかり」
なつのひかり2019
童話「なつのひかり」作 Sumiyo
風鈴は夢を見ました
半球形のガラスに描かれた
朱や藍色の金魚が
風の速度で
くるくると鮮やかに泳いでいます
りりーるん
かわいらしい音を鳴らすと
縁側に集まったこどもたちは
一瞬おしゃべりをやめ
明るい瞳で
風鈴を見上げます
そんな夢です
実際は少し違いました
風鈴のガラスは
まあるく完成したものの
ほかの風鈴よりちょっとだけ大きく
決められた大きさの箱に入らなくて
ガラスに絵を付ける前に
工場裏に捨てられてしまったのです
だからガラスは
いまも透明なまま
でも、
どの風鈴よりも
音だけは負けない自信があります
「誰かが気づいてくれればなあ」
がらくただらけの空き地で
風鈴はまいにち思っていました
ある日
うたたねから目覚めると
知らない窓で揺れていて
びっくりしました
通りかかった誰かが
できそこないの風鈴を
気に入って
持って帰ったのでした
窓の外には
目に染みるような青もみじ
葉に透けた
なつのひかりは
風鈴のガラスに絵を描きました
薄緑の影が
ガラスの中の青空を
ゆらり泳いでいます
やさしい風が吹いてきました
ここからが腕の見せどころ
りりーるん
風鈴は思いきり
涼しい音を鳴らしました
おわり
SumiyoⒸ2019
BGM:佐藤直紀「夏の思い出」
京都の「あおもみじ」は輝くグリーン
2019年夏は暑かったですね。
こんにちは。
Sumiyoです。
あまりの暑さに
家にいることがおおかったので
涼し気な浴衣の柄と女性を描きたい!
と思いました。
まずは童話を書いてから
水彩画を描きました。
「あおもみじ」とは
夏の紅葉のことです。
京都では紅葉も有名ですが
実は初夏から夏にかけて
目にしみるほどあおあおとした
「あおもみじ」も有名です。
数年前の夏、
京都嵐山駅で観たあおもみじが
目に染みるほどの
まぶしさだったので
童話に登場しました。