童話×水彩画【こぶたのコプタ】シリーズ第二弾「こぶたのコプタのすいかふね」を描きました。
水彩画「こぶたのコプタのすいかふね」
「こぶたのコプタのすいかふね」2019
「こぶたのコプタのすいかふね」文 Sumiyo
「コプタ、おふねにのって どこへいくの?」
おともだちの のねずみが ききました。
コプタは すいかにのって
ゆうらり ゆうらり。
いつか いく
ぼうけんの よていを かいたメモは
キャンディの はこに しまったままだし
たびに でるわけないじゃない。
コプタは のねずみに いいました。
「これが きみには おふねに みえるの?
これは おやつの すいか じゃないか」
だれかに とっては おふねでも
コプタに とっては おやつです
「のねずみよ、みためで
きめつけちゃあ だめだよ。
なにごともね」
コプタは すいかふねの うえで
いっかい きどって みせてから
ゆうらり ゆらり
ぜいたく きぶんで
おやつを たべます
でもね
ほんとうはね
コプタは こころの おくで
「ここなら、だれにも じゃまされず
おやつ まるごと ペロリさ」
と
にやにやして いたのでした。
のねずみは ちいさくなっていく
すいかふねを ながめながら つぶやきました。
「いや、その すいかが
おふねか おやつか
それは どっちでもいいんだけど。
そうじゃなくて。
すいかを かじって あながあいたら
みずの うえで
どうすんだよ ってことさ」
けっきょく コプタは
はんぶん かじったところで
およいで かえることになりました。
おわり
SumiyoⒸ2019