童話×水彩画「遊覧飛行船」を描きました。森にすむシマリスには小さい頃から努力していたことがありました・・・。
童話×水彩画「遊覧飛行船」
「遊覧飛行船」SumiyoⒸ2021
「遊覧飛行船」文 Sumiyo
シマリスは、木のてっぺんから
得意げに言いました。
「俺は、
登ることができる。こんなこと誰にもまね
できないんだぞ」
地面を覆う短い草の間で
右へ左へえさをさがしていたバッタが
シマリスを見上げてにこにこしました。
「シマリスはすごいね。木登りは森一番だね」
ほめられてシマリスは
うれしくなって
頬をぷくっとふくらませて
小さな頃から
まいにちまいにち
木登りの練習を
一生懸命してきたかいが
あったなあ。
努力してきてよかったあ。
と心から思いました。
次の日バッタは
前から楽しみにしていた
遊覧飛行船にのりました。
はじめての空は広くて、
森がずっと下に見えました。
森でいちばん高い木のてっぺんにいる
シマリスを見つけて、
窓から手をふります。
「シマリス~!」
シマリスはバッタと目が合って
びっくりしました。
バッタはいつもどおり
にこにこしています。
シマリスは
「鳥が自分より高く飛ぶことはしかたない。
でも、
自分より高いところから俺を見下ろすなんて」
と、くやしくなりました。
なんだか力が抜けて
するすると木の幹を伝って下り
ふてくされて
地面に寝転んで
空を見上げました。
すぐ横に
薄桃色の沈丁花が咲いており
いい匂いがします。
地を這うバッタは
いつもこんないい匂いに
包まれているのか。
と、初めて知りました。
遊覧飛行船は
シマリスを一瞬
日向から影にして
ゆっくりと
空を横切っていきました。
再び
明るい陽射しに包まれた
シマリスは
長い間、大切に磨いてきた
小さな自慢がなんだかバカらしく、
恥ずかしくなりました。
遠く離れていく
遊覧飛行船に
おひさまが当たって
尻尾がダイヤモンドみたいに
きらりと光りました。
おわり
「遊覧飛行船」SumiyoⒸ2021
風景画の空の描き方を練習
風景画の「空」。
なんど描いても
なんとなく納得できない。
ということで、
練習することにしました。
長時間
風景画の描き方を
調べていく中で
よくわかんないけど
いつも全面に水をひいてから
いろんな色を使うのですが
今回は
それとは違うやり方で
やってみることに。
少しずつ丁寧に
色数を絞って
雲を仕上げていきました。
描くうちなんどか
はっ
と、することがあり、
目からうろこ・・・。
理想とする
自分の好きな空を
描くことに
少しだけ近づけたような
気がしました。
考えているより
描いてみるとわかることって
あるんですね。