童話×色鉛筆画ペンちゃんベーカリー①「そらとぶクロワッサン」

ペンギンのパン屋さん「ペンちゃんベーカリー」シリーズスタート!第一話は「そらとぶクロワッサン」。童話と色鉛筆画を描きました。

ペンちゃんベーカリー「そらとぶクロワッサン」

 

「そらとぶクロワッサン」SumiyoⒸ2020

ペンちゃんベーカリー①「そらとぶクロワッサン」文 Sumiyo

ペンちゃんベーカリーは
きょうも げんきに

パンを やいています。

すずめたちが

ミニメロンパンを たくさん かかえて
たのしそうに おみせから でてきました。

「すずめみたいな ちいさな とりは いいよな
しょうてんがいの ぱんやさんで
パンが かえるから」

ベーカリーの ちかくに ある
たかい たかい でんぱとうの てっぺんに
とまっていた

トンビの トビイが
いいました

とんびは はねを ひろげると
じどうしゃ くらいの おおきさ。

からだが おおきすぎて

しょうてんがいを
うろうろ とんだりしたら
みんな びっくりします。

「だからね たかい おそらから
まいにち パンの いいにおいを
かぐだけ なんだ」

パンしょくにん ぺんちゃんは
それを きいて

なんとかして あげたいなと
おもいました。

トビイは
でんぱとうから とんで

こんどは
まぶしいほどに あおばが かがやく
せのたかい きの てっぺんに とまって

まちを ながめていました。

ペンちゃんは 下から
トビイに むかって

「あのう・・・パンの ごちゅうもん
ございますか?」

と おおごえで ききました。

「えっ?」

トビイは おどろきながらも
はるか したに みえる
まめつぶ みたいな

ペンギンに

「クロワッサン・・をください」

と、まだ たべたことは ないけれど

さくさく ふわふわで
バターの いいにおいがする パンの
なまえを いいました。

「しょうち いたしました。あした あさ いちばんで
かいに いらしてくださいね」

ペンちゃんは そのよる

ひとばん ねないで

おおきな ボウルと
おおきな オーブンで
いっしょうけんめい

きょだいな
クロワッサンと

たくさんの ちいさな
クロワッサンを
やきあげました。

つぎのあさ

ペンちゃんベーカリーの
おやねの うえには

かんばん みたいな
きょだいな クロワッサン。

「あ、クロワッサンだっ!」
「あそこに ぱんやさんが あるんだね」

きょだいな クロワッサンは
おそらの たかい ところからでも
よく みえました。

「まるで、そらとぶクロワッサンみたい」

くもと くもの あいだを
くるくると とびまわって

まちを みおろしている だけだった
たかや、わしや、しらさぎも

おおきな クロワッサンに
どきどき しました。

はねを ひらくと
トラック くらいの

おおきな とりたちです。

しょうてんがいの
ベーカリーの おみせの
いりぐちには

とうてい はいれません。

でも

おやねの うえの おみせなら
おかいものが できるんです。

とりたちは
つぎつぎに
やねのうえのベーカリーに

クロワッサンを
かいに きました。

「まいどありがとうございます」

こんやは
もりの おくの とりたちの
おうちで

おいしい
パンのパーティです。

「さすがは いちりゅうの ぱんしょくにん ペンちゃん」

ペンちゃんは じぶんを ほめました。
そして
いい きもちになって

あしたは おやねの おみせに
おおきな やきそばパンを

おこうかなあ、と おもいました。

おわり

ペンちゃんベーカリー①
「そらとぶクロワッサン」SumiyoⒸ2020

「ペンちゃんベーカリー」とは

「ペンちゃんベーカリー」シリーズは
15年くらい前から

少しずつ

少しずつ

書いて

読み聞かせなどしていた童話です。

一話ずつが
とても長くて

SNSに書くには
長すぎなので

古いパソコンの奥に
置いてありますが

先日パンの絵を描いていたら

そうだ
新しいショートストーリーと
挿絵で構成する

一枚絵本「ペンちゃんベーカリー」も
作ってみたい

と思いました。

街の画材屋さんが遠くて
電車をのりついでいかなければならず

いまは
コクヨのノートに
描いていますが

そのうち
ケント紙でトライしてみたいと
思います。

 

 

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