童話×色鉛筆「こぶたのコプタとカップケーキ」コプタシリーズ⑤

童話×色鉛筆「こぶたのコプタとカップケーキ」を描きました。コプタシリーズ第5弾。こぶたのコプタはある日「カップケーキになりたい」といいました。どうしてなのでしょうか?

童話×色鉛筆「こぶたのコプタとカップケーキ」 コプタシリーズ⑤

「こぶたのコプタとカップケーキ」2020

 

童話「こぶたのコプタとカップケーキ」コプタシリーズ⑤

こぶたのコプタは あるひ

「カップケーキになりたい」

といいました。

「どうして?」

なかよしの ねずみさんが きくと

「だって カップケーキって にんきものだもの」
と、こたえました。

たしかに
ふんわり あまい カップケーキが
だいすき! という

こどもは たくさんいますよね。

コプタは それが うらやましいのです。

「みんなが みんな だいすきって いうんだよ。
すばらしいじゃないかっ」

コプタが ちからづよく いいましたが

「そうかなあ?」
と ねずみさんは くびを かしげます。

「みんなが みんな だいすき と
いって くれなくても いいとおもう。
そりゃあ みんなに きらい といわれるのも
こまるけどね」

すると コプタは むうっとして

「きみって、ほんと すなおじゃないよ。きどってるだけさ」

と、つーんと したので
ねずみさんは
だまってしまいました。

「ぼくはね、100にんが 100人とも
みただけで むねが ときめいて
だいすきになっちゃう
カップケーキみたいに なりたいんだよ。

さあ、はやく

ぼくに クリームを のせてくれ」

コプタが いうので

ねずみさんは しぶしぶ クリームを
あたまに くるくると まきあげて
のせて あげました。

コプタは カップケーキに
ちかづけて まんぞくしたのか
きもちよく なったのか

ふふふん。
ふふふふん。


はなうた を
うたい はじめました。

あかるくて

かろやかで

はるかぜ みたいな うたです。

ねずみさんは うたを ききながら

「カップケーキに ならなくても
ぼくは コプタが だいすきだけど」
と おもいました。

でも、
そのあと
しあげの

さくらんぼを
のせながら

「けど、もしかしたら
こんな しょうじきな コプタだから

だいすき なのかも しれないなあ」

なにか あたらしい ひみつの はっけんを
した きもちに なりました。

おわり

「こぶたのコプタとカップケーキ」SumiyoⒸ2020

 

 

 

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